山根式折形
「折形」とは、600年の歴史を持つ「武家礼法」の一つで、 贈進の物品を和紙で包む「包み」の方式と、儀式用に飾る紙を折る方式との二つを含めて、総括呼称した用語です。
山根折形礼法教場 宗主 山根一城氏が監修した「山根式折形」のご紹介です。
鶴の箸置き
祝いの席に使う横置きの丹頂鶴を象った箸置きです。
赤い紙の上に一回り小さい白の紙を置く「祝いの皆敷」を模した四方紅紙を使い折り上げた折形です。
祝いの席には柳の丸箸を使います。
箸置きの他、ナイフ・フォーク(の上方に置いて)の飾りとしても使えます。
こちらは山根式折形礼法教室のオリジナル作品です。
かいしき
古より神様に供える食事「神饌」(しんせん)は、清浄と抗菌作用があると考えられてきた柏の葉や南天の葉を敷いて、その上にのせました。
これを「皆敷」と呼びます。
のちに清浄で白く輝く太陽を信仰する考えに基づき、白く輝く楮で作られた和紙が使われるようになりました。
楮は「白栲」(しろたえ)と呼ばれ、日本書紀などにも記述されている白の代名詞です。
かいしきは厳格な決まりに基づいた慶事、弔事用を使い分けます。
紅白の菓子を置く場合、輝く太陽「吉」を意味する白のものを左側に置くのが正式です。
お年玉包み
年の初めに差し上げる祝儀を年賀といいます。
年の初めの賜わり物から「年賜」と呼び、やがてそれが「年玉」とも表記されるようになりました。
本来は菓子、砂糖、みかん、茶、手拭、文具などを贈っていましたが、芸人が新年の祝儀として弟子に現金を渡す習慣がいつのまにか子供達に現金を渡すようになりました。
鶴の折形は年玉を包むにふさわしい古い形で、遊戯としての折紙がこうした折形から発展していきました。
山根折形礼法教場 宗主 山根一城 監修
礼法研究家、故 山根章弘氏の後継者として、セミナー・著作活動を通じ、折形礼法の普及に努めている。